ネイチャーポジティブ

ネイチャーポジティブについて

生物多様性の損失を止め、回復に反転させる。

そのためにわたしたちが今知っておきたいこと、考えておきたいこと。

今、起きていること。

69%

1970〜2018年の間に減少した野生生物の個体群(WWF Living Planet Report 2022)

83%

同期間に減少した淡水域の生物個体群の割合

100万種

現在絶滅の危機にある動植物の種数。生物多様性の喪失はサプライチェーンを直撃します(IPBES 2019)

44兆ドル

世界のGDPの半分以上が自然資本に中〜高度に依存しているという推計(WEF 2020)

ネイチャーポジティブとはなにか?

自然を「減らす」のではなく、「増やす」方向に転換すること。

2020年を基準として、2030年までに生物多様性の損失を止め・反転させ、2050年までに生態系を完全に回復させること

気候変動における「ネット・ゼロ(Net Zero)」と並ぶ、生物多様性分野の世界共通目標。単に現状維持ではなく、積極的な「回復」へのシフトが求められています。

🌡️

ネット・ゼロ

気候変動の目標

テーマCO₂ / 温室効果ガス

目標排出量をゼロに

指標CO₂換算トン数

🌿

ネイチャーポジティブ

生物多様性の目標

テーマ自然資本・生物多様性

目標自然を回復軌道に

指標多様な自然指標(場所依存)

2020 → 2030 → 2050 のロードマップ

image

2020

📍 基準年

ネイチャーポジティブの達成度を測る基準年。この年の自然の状態と比較して回復を評価する

2030

🔄 反転目標

生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せる短期目標。30by30(陸海の30%保全)もこの年まで

2050

🌍 完全回復

生態系が完全に回復し、自然と人間社会が共生する「ビジョン」の実現年

なぜ自然が大切か?自然が果たす役割、4つの「生態系サービス」

自然が私たちに与えてくれる恵みは4種類に分類できます。これらが失われると、私たちの暮らしや経済に大きな影響が与えられます。

🌱

基盤サービス

すべての生命の基盤。酸素・土壌・水循環など、他のサービスを成り立たせる根本的な機能

酸素供給・土壌形成・水循環

🌾

供給サービス

食料・木材・医薬品・水など、暮らしの「原料」を提供する機能。農作物の75%以上は受粉に依存

食料・木材・医薬品原料

🌊

調整サービス

気候調整・洪水防止・水質浄化など、将来の安全を守る機能。森林は炭素吸収にも貢献

気候調整・洪水防止・水質浄化

🎋

文化的サービス

観光・精神的豊かさ・伝統文化・教育の源となる機能。日本の「花鳥風月」の文化もここから

観光・伝統文化・精神的豊かさ

国際的な政策の流れ

今、世界はどのように変化しているか。これまでの主要な出来事。

2020

「ネイチャーポジティブ」の概念が公表

14の民間企業団体・自然保護団体が「A Nature-Positive World: The Global Goal for Nature」を共同発表。WEFも10兆ドルのビジネス機会を試算

2021

G7自然協約・TNFD発足・COP15第1部

G7コーンウォールサミットで「G7 2030年自然協約」合意。TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)正式発足。COP15「昆明宣言」にネイチャーポジティブが明記

2022

昆明・モントリオール生物多様性枠組採択

COP15第2部(モントリオール)で「30by30」含む新世界目標が採択。2030年までの生物多様性損失の反転が世界共通目標に

2023

TNFD v1.0公表・日本国家戦略・G7 ANPE設立

TNFDフレームワーク最終版公表。日本で「生物多様性国家戦略2023-2030」閣議決定。G7札幌でG7ネイチャーポジティブ経済アライアンス設立合意

2024

日本「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」策定

環境省・農水省・経産省・国交省の4省合同で移行戦略策定。2030年に国内47兆円のビジネス機会と試算。TNFD採用企業数が世界最多水準に

2026〜

ISSB自然開示基準・義務化へ

ISSBが自然関連の国際財務報告基準(BEES)を策定予定。2028年頃には日本でも開示義務化が視野に。「自然の状態指標」フレームワークも最終策定へ

🇯🇵 日本の取り組み

日本は世界をリードするネイチャーポジティブ先進国です。

47兆円

2030年に国内で生まれるビジネス機会(環境省試算)

ネイチャーポジティブ型経済への移行により、125兆円の経済効果が見込まれる。TNFD採用表明企業数は世界最多水準(約130社以上、2024年時点)

🌲

生態系の保全・回復(陸域・海域)

🐾

野生生物の保護管理と持続的利用

🌡️

気候変動と生物多様性の統合対策

💹

事業活動・資金の流れの転換

🤝

社会全体での生物多様性の主流化

企業とネイチャーポジティブ

企業活動は自然資本に依存しながら、同時に自然に影響を与えています。リスクと機会の両面を把握することが経営戦略の鍵です。

⚠️

自然リスク

農業・水産業・製造業など多くの産業が生態系サービスに依存。自然資本が失われると、原材料調達の不安定化、水リスク、規制強化による事業停止リスクが生じる。

💡

ビジネス機会

自然の回復に貢献する製品・サービスへの需要が急拡大。ESG投資の呼び込み、グリーン認証による差別化、新市場の開拓など、先行企業が大きな競争優位を持つ。

📋

TNFDによる開示

2023年公表のTNFDフレームワークで、企業が自然への依存・影響・リスク・機会をLEAPアプローチで分析・開示することが求められる。2028年頃に義務化の見込み。

北海道とネイチャーポジティブ

「場所の固有性」が重要なネイチャーポジティブにおいて、北海道は日本の中でも非常に重要な役割を持つ地域です。

🌾

農業・酪農

日本最大の農業地帯として、土壌・水・受粉昆虫など自然資本に直接依存。TNFDによる可視化と開示で、ESG投資家からの評価向上やブランド差別化が可能。

サステナブル農業

🐟

水産業・漁業

海洋生態系への高い依存度を持つ水産業は、TNFD開示が最も直結する産業。資源の科学的管理と開示による企業価値向上の実例が国内外で生まれています。

資源リスク低減・企業価値向上

🌲

林業・森林資源

国内最大の森林地帯として、炭素固定・水源涵養などの生態系サービスをTNFD的に開示。FSC認証と組み合わせた国際市場へのアプローチが有効。

炭素クレジット・国際バイヤー・森林の価値化

🏔️

観光・地域ブランド

豊かな自然環境がそのまま観光資源。「ネイチャーポジティブな北海道」というブランドを構築することで、国内外からのインバウンド促進にもつながります。

ネイチャーポジティブ観光・地域ブランディング

🦅

生物多様性保全

タンチョウ・シマフクロウなど固有種が多く、30by30目標(陸海の30%保全)達成への最大の貢献地として、自然共生サイト(OECM)認定を推進。保全活動のTNFD連携で企業・行政・地域が協働できます。

30by30達成・OECM認定

💚

アイヌ文化・地域知

TNFDは「先住民族・地域コミュニティとのエンゲージメント」を開示要件に明記。アイヌの自然観・知識を活かした独自モデルを構築できる稀有な地域です。

アイヌ共生モデル

企業はどう向き合っていくか?

TNFDが推奨する「LEAPアプローチ」+準備の5ステップ

L

LOCATE

発見する

自社事業・サプライチェーンが自然とどこで接点を持つかを地図上で特定

E

EVALUATE

診断する

自然への依存度とインパクト(影響)をENCORE等で定量・定性評価

A

ASSESS

評価する

自然関連のリスクと機会を抽出し、財務インパクトを把握する

P

PREPARE

準備する

戦略・目標を設定し、情報開示の準備を整える

DISCLOSE

開示する

アニュアルレポートや統合報告書でTNFD準拠の開示を実施

TNFDとはなにか?

一言でいうと、「企業が自然環境とどう関わっているかを、経済的価値に置き換えて報告する仕組み」です。

🌲

自然資本とは

森林・海洋・土壌・淡水・生物多様性など、自然が持つ「資産」のことです。私たちの経済活動はすべて、この自然資本の恵みの上に成り立っています。

💰

なぜ「財務」情報?

自然が失われると、農業・水産業・観光業など、多くの産業に実際の損害が出ます。自然リスクは「環境問題」ではなく「経営リスク」です。

🏢

誰が使う?

企業・金融機関が対象です。自社の事業活動が自然にどれだけ依存し、どんな影響を与えているかを調べて、投資家や社会に公表します。

🌍

どこで生まれた?

2019年ダボス会議で着想。国連(UNDP・UNEP)やWWFが主導し2021年に正式発足。2023年9月に最終フレームワークv1.0が公表されました。

TCFDとTNFDの違い

よく聞くTCFD(気候変動)とどう違う? 関係を整理しましょう。

TCFD

気候関連財務情報開示タスクフォース

テーマ🌡️ 気候変動

設立2015年

主な指標CO₂排出量

スコープサプライチェーン

場所の影響比較的小さい

TNFD

自然関連財務情報開示タスクフォース

テーマ🌿 自然資本全体

設立2021年

主な指標多様な自然指標

スコープバリューチェーン全体

場所の影響★ 非常に大きい

TCFDが「CO₂という世界共通の物差しで測れる気候変動」を扱うのに対し、TNFDが扱う自然資本は場所によってリスクの中身がまったく異なります。北海道の農地と沖縄のサンゴ礁では、関係する自然リスクが全く違う。だからこそ、事業所ごとの「場所の固有性」を重視した分析が必要とされています。

TNFD開示の4本柱

TCFDと同じ4つの柱で情報を開示します。

01

🏛️

ガバナンス

自然関連課題に対する取締役会・経営陣の監督体制と責任の所在を示す

02

🗺️

戦略

自然関連のリスクと機会が事業戦略・財務計画にどう影響するかを開示

03

🔒

リスク管理

自然関連リスクの特定・評価・管理プロセスを全社リスク管理と統合して説明

04

📊

指標と目標

自然への依存・インパクト・リスク・機会を測る指標と達成目標を設定・公表

世界最多

🇯🇵 日本企業のTNFD採用表明数は世界最多水準

TNFD最終提言公表以降、開示に取り組むことを表明した日本企業は約130社以上(2024年時点)。世界の中でも日本は最も積極的に対応を進めている国のひとつです。

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